今こそ考えたい。三重県いなべ市で「本当のふるさと納税」を見つけてきました。

2019 / 02 / 14
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バリエーション豊富な返礼品、豪華な返礼品などで近年注目を浴びている「ふるさと納税」。皆さんは、ふるさと納税の本来の目的や本質は何だと思いますか?
今回は三重県いなべ市でスタートした、楽器を通した新たなふるさと納税システムにズーム!元吹奏楽部の編集部ひーちゃんが、現地で「ふるさと納税の本質」について考えてみました。

モノでふるさと納税できる時代!?

楽器寄附ふるさと納税とは

楽器寄附ふるさと納税とは、使われなくなって眠っている休眠楽器を、学校や音楽団体等へ自治体を通して寄附することで、その寄附楽器の査定価格が税金から控除されるふるさと納税の新しいスタイル。
2018年10月に三重県いなべ市がスタートさせ、現在全国化に向けて取り組んでいます。

寄附の流れ
①楽器寄附ふるさと納税 公式サイト内の寄附リストから、寄附対象となる楽器を選択
②寄附楽器の査定を申し込み
③一次査定

査定額に納得できたら、送られてくる楽器発送用の梱包キットに楽器を梱包して発送!
④最終査定
査定協力業者が最終的な査定額(寄附額)を確定。最終査定額に納得できた場合は寄附実行承認フォームから寄附実行!
⑤税金控除のご案内と、感謝状が送られてくる!
楽器寄附ふるさと納税の流れ
についてはこちら

今回は、編集部ひーちゃんが楽器寄附ふるさと納税の取り組みをスタートさせた三重県いなべ市に行ってきました!

眠っている楽器に新しい価値を

まずインタビューさせていただいたのは、日沖市長です!
市長にインタビューだなんて…かなり緊張していましたが、とってもハイテンションでお話してくださった市長。あっという間に現場は和やかなムードに。

いなべ市長が思う、イノベーションの持つ可能性

今のふるさと納税の課題は何だとお考えですか?

日沖市長
インターネットショッピング化していることですね。各自治体、納税額に対する返礼品の利率がどんどん上がって、本来は税金として自治体を応援するために使われるはずの部分が返礼品に変わってしまう。これはふるさと納税の本質からはズレているんじゃないでしょうか。

その、ふるさと納税の本質をとらえた取り組みが、楽器寄附ふるさと納税なんですね。

日沖市長
子どもたちは楽器がなくて困っていて、その一方で使われずに眠っている楽器がある。でも、単なる物品の寄附では、なかなか広まっていかない。そこで、もうすこし後押しする何かがあれば良いのでは?と思い、楽器寄附ふるさと納税を始めることを決意しました。日沖市長
使われていない楽器を市が買い取り、その査定額をそのまま寄附していただく。ここで重要になるのは「その査定額が果たして適切なのか」ということですね。そこで株式会社マーケットエンタープライズにご協力いただき、査定業務をお願いしています。

楽器寄附ふるさと納税を始めてから、何か変化はありましたか?

日沖市長
市内外問わず多くの方から、「良くこの仕組みを考えたね!」というお声をいただいています。ありがたいですね。
財政難と言われる中で、知恵を出して不要なものから、新たな価値を生み出したひとつの例だと思います。イノベーションです。

日沖市長
いなべ市でのイノベーション……「いなべーしょん」ですね!!
ひーちゃん
いなべーしょん…!

今後の楽器寄附ふるさと納税に、どんなことを期待しますか?

日沖市長
三重県内はもちろん、国内で楽器寄附ふるさと納税の拠点を作り、この仕組みがもっと広がっていって欲しいですね。より多くの学生に、綺麗な楽器が届くことを願っています。

ひーちゃん
価値がないものに、新しい価値を見出す。これがふるさと納税の制度を活用して実現できているんですね。
日沖市長
そうなんです。楽器寄附ふるさと納税に限らず、これからも新しい価値を生み出すことに取り組んでいきたいですね。

これがふるさと納税の“あるべき姿”

続いては、いなべ市役所の佐藤さんにインタビュー!佐藤さんは、楽器寄附ふるさと納税制度の立ち上げに携われた職員さんの一人です。

寄附者も、寄附される人もお互いを”想う”仕組み

取り組みをスタートさせるにあたって、大変だったことはありますか?

佐藤さん
スタートさせる前よりも、スタートした後の方が大変でしたね…。スタッフも楽器に対しては素人なので、楽器の種類も名称も分からなくて覚えるのが大変でした(笑)。ホルンひとつでも「ベルカットのフルダブル」とか「B♭管」とか。楽器の名前と画像を自分たちの座席の近くに貼っていたくらいです。

どんな方が楽器を寄附されていますか?

佐藤さん
30~60代と幅広い年代層の方に寄附をしていただいています。
通常のふるさと納税とは違って、応援メッセージを書いてくださる寄附者が多いですね。「自分の子どもたちが使っていた」「今は使われていないけれど、この楽器で素敵な演奏をしてください」など…楽器に対する思いをたくさん感じます!

楽器寄附ふるさと納税の今後の目標を教えてください!

佐藤さん
今、寄附先の学校が求めている楽器が、マリンバ、ティンパニ、コンガという大型の打楽器です。ティンパニに関しては、4つで1セットなのですが2つしかないんですよね。
こういった打楽器類は、楽団単位で持っているものなので個人で持っている方はなかなかいらっしゃらないんですよね。そういった楽器をどのように寄附していただくのか、制度などを改善しながら全国に楽器寄附ふるさと納税の取り組みを広げていきたいです!

ひーちゃん
寄附する人も、単純にモノを寄附をするのではなく、「いなべ市の中学生のために!」という思いを持っているんですね。
佐藤さん
そうなんです!
寄附してくださる方も、寄附楽器を受け取るいなべ市の生徒たちも、皆がそれぞれを思って楽器を寄附し、その寄附を受けているんですよね。これって、ふるさと納税の本来のあるべき姿なんじゃないでしょうか。

 

NEXT>>寄附された楽器の行き先!大安中学校吹奏楽部に潜入!

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ライター・カメラマン/日原多瑛子(ひーちゃん)

BUMP OF CHICKENとディズニーを愛する、“関西弁と標準語のハイブリッド”なWIZOOM編集部のお姉さん。よさこいとライブにかける情熱は学生時代と変わらず今も健在です。
日常生活の中で疑問に思ったことを解決し、皆さんにシェアします!

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