「何これっ!便利」画期的なデザインで話題のSUPER CLASSIC(スーパークラシック)っていったい!?

2019 / 04 / 03
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バリューイノベーション株式会社 代表取締役 南 和繁(みなみ かずしげ)さん

皆さんは今までに無かった、画期的なデザインを打ち出し続ける「スーパークラシック」をご存知でしょうか。2013年、2014年と連続でグッドデザイン賞を受賞した経験を持つスーパークラシックの製品。今回、プロダクトデザインを担当するバリューイノベーション株式会社の南さんに画期的なデザインを生み出すコツについてお話を伺ってきました!

普通と違いすぎるデザイン

「薄い財布」など面白いデザインのものが多いですが、どのようにして作られているのですか?

南さん
「薄い財布」は物を持って出かけたくないという私のマニアックな性格から始まっています。物を持つにしても、もの凄くこだわってしまう私はスーツを着て働いていている際、携帯と財布だけをズボンのポケットに入れて外出していました。技術の進歩と共に左ポケットに入れたの携帯電話はどんどん薄くなりコンパクトになっていくのに、もう一方のポケットに入った財布は長い年月をかけても何も変わっていないことに疑問を感じました。

確かに何十年もの間、財布の形は変わっていませんね。

南さん
財布の役割を、お金やカードを包むものとした時に、「決してあの形でなくてもいいのではないか」「もし自分が財布というものを知らないで、0から開発するならどんな形になるんだろう」ということを考えたわけです。

2つ折りの財布であれば、右側にコインを入れて、左側にカード、そしてお札を収めていますが、その形が決して正解ではないと考えました。なので、色んなところで変わった形の財布を見つけては試してみたり、マネークリップを使ってみたり、封筒にお金を入れて使っていたこともありました。

その経験で分かったことが、私の中で快適な財布に必要な要素は「使いやすさ」と、「薄さ」だったんです。
実はポケットに、財布を入れる場合、サイズが小さいことより薄いことの方が大切なんです。というのも、座ったときに薄ければポケットから浮き出ることもありませんし、お尻のポケットに入れたとしても、はみ出て落ちるなんてことはありませんからね。

2009年に現在のプロダクトデザインとは全く別の会社を1人で立ち上げたときに、趣味で自分で財布を作り始めたんですよ。最初はボール紙を買ってきて、それをホッチキスやテープでとめて自分が理想とする形の財布を作って使っていました。もちろん紙なので、ぼろぼろになってしまいましたけどね(笑)。
このように自分で理想の財布を求め、何度も作り直しては使っていました。その過程で「案外使いにくい」「壊れやすい」とか色んな問題が出てくるので、次に作る際はその課題を解決したデザインを目指すこともあり、徐々に精度が上がってきました。結局、自分が納得する財布が出来上がるまでに30回は作り直しました。

はじめは趣味半分で財布を作っていたのですね。

南さん
ここまでブラッシュアップして作りあげた財布だったので、製品化をしたいと考え、革財布を作っているような工場に持ち込んでみました。しかし、今まで見たことのないような形だったこともあり職人の方々からは「難しい」と言われ、相手にしてもらえなかったのですが、四国のとある工場が「面白い!やりましょう。」と言ってくださいました。

そこでついに製品化が始まったのでしょうか。

南さん
すぐに製品化というわけではありませんでした。そこから工場で10回くらいサンプルを作って、大きさもミリ単位で調整していただき、2009年に「薄い財布」に加えて、「薄い名刺入れ」「保存するメモ帳」の3つを販売させていただいたのですが、想像を上回る数を売ることが出来ました。
売れ行きが話題になっていくと、百貨店の高島屋でも取り扱いたいという声をいただきまして、全国展開が始まったんですよ。その時はまだ、私ひとりの会社だったので驚きましたね。
会社を立ち上げた当初は、WEBの構築や飲食店のコンサルタントをしていたのですが、財布づくりのような、プロダクト開発の方が楽しく、私にとってわくわくするものだったので、そちらに注力するようになりました。

自分の趣味から始まったことが仕事になるのは凄いですね。

南さん
もちろん売り上げが立っていくことも嬉しかったですが、それ以上に何かに課題を感じて、それを解決するために物をつくって、更に作ったものをブラッシュアップしていく過程がとても楽しかったんですよ。

それまではプロダクトデザインの経験はあったのですか?

南さん
全くないです。デザインを本格的に学んでいたわけでもないですし、美大に通ってもいませんでした。

売ろうとしていない

南さん
私たちの会社の製品が少し変わっているのには理由があります。まず、売ろうとしていませんでした。自分が欲しいもの、快適だと感じるデザインを追求して作っています。恐らく普通のメーカーが作る製品は、売らなくてはいけないので、市場を調査して、どういった製品を、どのターゲットに打ち出していくかなどを、しっかりと計算して作りあげていきますが、私たちの製品はそれがありません。
なので、10個の製品があれば、そのうちの2個が売れて、6個がぼちぼちの売り上げ、残りの2つは全く売れないことだってあります。ただ、それでいいと思っています。自分が欲しいものと市場が求めているものが、たまたま重なったものが売れていくので、そうでないものがあっても当然ですよね。
もちろん製品を開発していくうちに何となくでも、売れそうなプロダクトデザインの見当はつくようになってきましたが、だからといって売れそうなものを作ってしまうと、量販店で販売されているものとの違いがなくなってしまいます。

他とは違ったアイデアを形にするには、製品が開発されるまで時間がかかりそうですね。

南さん
時間はかかります。アイデアが出てから製品化されるまで4年くらいはかかっていますね。アパレルブランドや一般的なメーカーだと、1年の中で春夏と秋冬それぞれで展示会を開催するので難しいかもしれませんが、私たちはじっくりと時間をかけて理想の製品を作っていきます。
というのも、90%の状態で販売してしまうと、結局作り変えなくてはいけませんし、少しの妥協を許してしまい、更にいいアイデアが出てきてしまったらとても悔しいので、「これまでにない」という形まで仕上げた状態で世に出します。だからこそ、作った製品はずっと販売し続けます。

「こういった製品が欲しい」といった製品の原案になるようなアイデアはどのようにして出しているのでしょうか?

南さん
基本的にアイデア出しの時間は設けていません。生活していている中で感じた不満や疑問を書き留めておくのですが、それが製品開発のヒントになっています。
例えば、「すわるパンツ」というポケットに特長を持たせたズボンがあるのですが、これは私自身の経験がアイデアのベースとなっています。タクシーに乗ったり、深くイスに座らなくてはいけない時に、ポケットに入っているものが滑り落ちてしまうことが多くて困っていました。どうにかしてポケットの形状や位置を変えることで、この問題を解決できないかと考え、「すわるパンツ」が開発されました。
このようにデザインのもととなるアイデアを無理に出そうとはしませんが、普段からアンテナを張って生活をして、そこから製品のヒントを得ています。こういった一般的なメーカーには無い作り方が、私たちが販売する製品の根幹になっているような気がします。

取材を終えて

全ての過程が私の今まで知っていたメーカーやデザインを生み出す会社とは一線を画していて、正直なところ驚きました。こうしたスピード感のあるPDCAサイクルを繰り返し、洗練されたデザインだからこそ、「画期的なデザイン」と世の中から賞賛されているような気がしました。皆さんも、日常の中で気になったポイントや不満を突き詰めて考えていくことで、見つかる「何か」があるかもしれませんよ!

【今回お話を伺ったのは】
バリューイノベーション株式会社 代表取締役 南 和繁さん
所在地〒107-0062 東京都港区南青山3-9-5 WISMA-1ビル 2階
SUPER CLASSICの公式サイトはこちら
バリューイノベーション株式会社の公式サイトはこちら
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