100回洗っても使える。久米繊維工業のTシャツっていったい!?

2019 / 04 / 03
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久米繊維工業株式会社 セールスディレクター 村上 典弘(むらかみ のりひろ)さん

1935年に創業した老舗Tシャツメーカー久米繊維工業をご存知でしょうか?国産としての繊細さを持ちつつ、繰り返し着てもくたびれない魔法のようなTシャツが存在しました!さらに日本で古くから親しまれる日本酒の蔵印(くらじるし)をイメージしたTシャツも販売されていて国内外で注目を浴びているようです。今回、日本酒Tシャツのプロジェクトを立ち上げた久米繊維工業株式会社の村上さんにお話を伺ってきました!

伝統ある○○とコラボ

久米繊維工業は昔からTシャツを製造販売しているのですか?

村上さん
少し前までは、アパレルブランドや企画などでご注文を受けてから作るという方法をとっていたのですが、久米繊維のTシャツの品質をもっと多くの方に知ってほしいという想いがあり久米繊維としても店舗を構え、店舗とECサイトで直接販売をするようになりました。
日本ではTシャツのスタートはもともと肌着として服の中に着ることはあっても、外で1枚で切ることはありませんでした。そこで、久米繊維の先代が、海外の映画で見たTシャツ1枚で外に出ている姿に憧れ、外に着て出られるようなTシャツを作ったことが国産Tシャツ文化の始まりです。

日本に古くからあるお酒とコラボしたと伺ったのですが、どういった経緯で始まったプロジェクトなのでしょうか?

村上さん
自社ブランド立ち上げの際に、日本のものづくりの精神を宿した伝統文化である日本酒こそ久米繊維がコラボするべきテーマと考え商品開発を行いました。日本酒を作る際にお米を水に浸すのですが、水から出すタイミングが1秒ずれるだけで、味わいが大きく変わってくるというお話を伺ったのですが、私がTシャツをプリントする時の捺染作業に通ずるものがあるように感じて、親近感を持ったんですよ。
さらに、日本酒の販売が少し低迷してきていた時期でもあったので、Tシャツという異業種が関わることで、若い世代に「日本酒を届けるお手伝いにもなればいいな」と思い、日本酒の蔵印をモチーフにしたTシャツつくりを始めていきました。

全くの異なる業種なだけに、どのようにして連絡を取ったのかが気になります。

村上さん
実際にお酒を自分で飲んで、その感想を自身のブログで発信をした後、紹介させていただいた旨を直接お電話で酒蔵に連絡させていただきました。そこからこのTシャツプロジェクトの話をしたのですが、なかなか上手くいかずに、スタートしてからの4年間は10種のTシャツしか作ることができませんでした。

時間が掛かるものですね…

村上さん
そうですね。その10種(10銘柄)のTシャツを並べて、久米繊維の店舗で展示会を行いました。ただ展示するだけでなく酒蔵の方に来ていただき、期間中の1日を使ってトークショーを開催させていただいたのですが、そのイベントに新聞記者さんや地元テレビ局の方などがいらっしゃいまして、取り上げていただきました。
すると4年間で10蔵のTシャツしか作れなかったのに、それから半年ほどで50蔵を超えまして、当初目標としていた100銘柄のTシャツを作ることも達成することが出来ました。

100銘柄と聞くと凄いですね。それらを蔵印Tシャツとして販売されたのですか?

村上さん
この100銘柄は私たちが作らせていただいて酒蔵の方々にお渡ししていたものだったので販売はしていなかったんですよ。今まで作らせていただいた酒蔵の中からご縁があった蔵元さんに声を掛けて改めてデザインし販売させていただいたものが蔵印Tシャツになります。

蔵印のTシャツが出来るまでにそうい
った背景があったのですね。

村上さん
2012年に久米繊維のブランドとして「蔵印Tシャツ」を販売を開始したのですが、販売を開始した当初は年間で380枚程しか売れませんでした。ただ徐々に話題になっていき、昨年は12,000枚を販売するブランドにまで成長しました。

こういった日本酒をテーマにした製品は外国人に人気なのでしょうか?

村上さん
外国の方の購入もありますが、日本の方が買ってくれることの方が多いです。というのもただ単に蔵印がデザインされたTシャツではなく、日本の伝統的な文様の江戸切子をモチーフにしたデザインをしたり、月見酒(つきみざけ)をイメージしたデザインを取り入れるなどして日本国内の方々からも支持されるようになりました。

国産Tシャツのこだわりとは

蔵印のTシャツは国産であることが1つの強みだと思うのですが、国産のTシャツのこだわりについて教えてください。

村上さん
作りがしっかりとしているので、10年後でもきっちり着ていただける品質をお届けしています。デザインで見ても長い歴史を持ったメーカーらしく流行りに振り回されず定番の型は作り続けています。
縫製の方法としては天地縫い(てんちぬい)という手法をとっていまして、生地が伸びるんですよ。生地が伸縮する縫い方をしているので、着る時にストレスを感じることなく着れることが特長です。

確かにTシャツを着る際、手や頭を通しずらく感じることがあります。

村上さん
天地縫いをすることでそのストレスを緩和させることが出来ます。他にも久米繊維のTシャツは洗濯強度がとても高いです。100回洗濯をしたTシャツであっても首元がよれよれすることなくまだまだ着ていただけます。

100回洗濯をしても、使えるのはすごいですね。

村上さん
他にも特長として、胴体の部分は筒状のものを使っていますので、脇に縫い目ができないので擦れて着心地を損なうことがありません。
Tシャツに使われている糸や染料も国産のしっかりとしたものを採用しているので独特の光沢感を演出することはもちろんですが、安心して着ていただけることも特長です。

1935年創業という長い歴史を持った久米繊維工業ですが、時代とともに変わってきたことはありますか?

村上さん
長い歴史があるとそれだけノウハウを持つことができるので、様々なニーズに対応することができるようになりました。
実際に近年、ビックシリーズという見幅をたっぷりと取ったTシャツやトレーナー、パーカーなどを企画販売させていただいております。定番のものはずっと代表的な製品として、残しつつも久米繊維の製品を多くの方に知ってもらうためにも、挑戦を続けていきたいと考えています。

取材を終えて

国産というだけで「品質が良い」というイメージを何となく持っていましたが、100回洗濯をしても、まだまだ着られるというタフさには驚きました。タフさに加えて肌に当たったときの着心地も抜群だそうです。一見すると相反するようなタフさと繊細さ、その両者を兼ね備えたTシャツはまさに日本のものつくりの象徴であるように感じました。

【今回お話を伺ったのは】
久米繊維工業株式会社 村上 典弘さん
所在地 〒130-0012 東京都墨田区太平3丁目9−6
久米繊維工業株式会社の公式サイトはこちら
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