【え、知らないの!?】Made in JAPAN スニーカー PANTHER(パンサー)の復活

2019 / 01 / 22
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世界長ユニオン株式會社 岡部 大志(おかべ たいし)さん/矢作 理之(やさく まさゆき)さん

PANTHER(パンサー)は1964年東京オリンピックの年に誕生したスニーカーブランドです。1970年代には日本のトップアスリートをはじめ、当時の子どもたちを足元から支えてきました。そんなパンサーが長い沈黙破り復活。国産の名に恥じない細部にまでこだわった素材や技法を兼ね備えモノづくりをしています。今回は知られざるパンサーのこだわりについて、当時と変わった点など幅広く伺ってきました。

復刻したスニーカー PANTHER(パンサー)

当時のパンサーはどういったスニーカーだったのですか?

岡部さん
パンサーは1960年代に販売がスタートし人気を博したブランドなのですが、当初のブランドは学販の運動靴として全国の学校指定靴になるほど、多くの子どもたちに親しまれたスニーカーだったのです。
日本の市場で販売されている靴の多くは、生産が中国や東南アジアがメインなのですが、当時からパンサーは国産のスニーカーとしての信頼を得ておりました。

今、世界中にメイドインジャパンの価値が高まっているなかで、私たちとしても国内の生産工場でモノ作りを行う事を模索していました。その中で、”パンサーを国産スニーカーで”という話が持ち上がり復活に至りました。

復活を果たしたパンサーですが、復活までの経緯を教えてください。

矢作さん
開発スタート時には、とても苦労しました。デザインとしては誰でも履きやすいシンプルなものを想定して、スニーカー側面のラインを取り払った試作品を作ったのですが、独自性の薄い平凡なスニーカーになってしまったため、そこからは一から工場に入り込んでサンプル制作を進めました。

パターン(型紙)やラスト(木型)を試行錯誤していき、見直しをされたサンプルが出来上がった時点で、スニーカー業界で有名なミタスニーカーズ国井氏にレビューを頂きました。しかし、現代に寄せたデザインになりすぎていて、「どのターゲットに向けた、どういったスニーカーなのかがわからない」と、あまり良い反応をいただけませんでした。実は試作を見ていただく前に、70年代当時のカタログをお渡ししたのですが、その際「カタログの中から、そのまま出てきたようなデザインがいい」というアドバイスを頂く事が出来ました。

その時は、まだ理解できていなかったのですが、製作していくうちに、古くからのデザインに価値があることに気がつきました。例えば、敢えて芯まで染め切っていないスエードや革などを含め、それらデザインすべてが味になります。より当時をリスペクトしたデザインを取り入れることは、パンサーというスニーカーを通して、国産のモノ作りのこだわりや品質の良さを伝えることに繋がったのだと思います。

歴史が見える製品に仕上がっていったのですね。

岡部さん
そうかもしれませんね。復刻と言うと、最近では最新技術を駆使したリバイバル製品のイメージが強いかもしれませんが、パンサーにおいては当時の靴を再現する事に重きを置きました。

例えば、革の芯を染め切らない技術も旧式の生産方法で、手間がかかる方法なので普通は取り入れません(笑)。
ただ、確かにこの方法でスニーカーを作ることで、経年変化を楽しむことができるので、履き続けていくうちに味が出てくると思います。デニムに置き換えるとわかり易いかもしれません。履いているうちに自分好みに育てていくことがこのスニーカーの醍醐味になると思います。

追い求めたクラシックスニーカー

確かに、ただ単にきれいなスニーカーを作ってしまうだけでは、他のスニーカーと差別化を図ることは難しいかもしれませんね。

矢作さん
まさにそうなんだと思います。素材やパターンなどに拘ることで差別化を意識しつつ、その一方で履き心地に関しては当時の仕様から現代の技術を取り入れアップデートする事で歩きやすいようにしています。

ただ、一方でスニーカーの履き心地に関しては当時の仕様のままでは疲れやすいので、現代の技術を取り入れ歩きやすいようにしています。

古くからの出で立ちを守りぬきつつ、現代の履きやすさを体現したのが新生のパンサーなのですね。

岡部さん
そうです。生地や革の裁断、縫製、パターンの作成などスニーカー作りのほぼ全ての行程を国内で行う、フルメイドの国産スニーカーとして、クオリティには自信を持っています。

細かな部分まで当時の風合いを再現をするのは、苦労した部分は多かったんじゃないですか?

矢作さん
苦労した部分はありますね。というのも、例えば、インソールやシュータンのデザインも当時の資料を探して再現を図りました。思ったよりも細かな作業が必要になった為、相当な時間を要しました(笑)。また、当時のことを知る職人の方のもとへ伺って、復刻することを伝えたところ、すごく喜んでくださって当時のパンサーの設計図を探してきてくださり、それを基に再現をしていきました。

そういった裏側がこの復刻版パンサーには隠れていたのですね。今だからこそできた当時と違う部分はありますか?

矢作さん
当時のものをリスペクトして再現をした訳ですが、時代が変われば、歩く道や人の歩き方にも変化があらわれる為、そういった現代の使い方にも耐えられるように開発を進めていきました。インソールを含め内部の構造には現代の技術を取り入れました。

時代を循環させる

今の時代に合わせてデザインの部分で変わったこともありますか?

岡部さん
やはり、ファッションとしてスニーカーを楽しむ方が昔に比べると多いので、パンサーでもカラーリングについてはバリエーションは増やしています。当時のものに加えてオリジナルカラーを展開することで、より現代にあった形でパンサーを展開しています。
ただ、一方でパンサーのデザインは、時代の循環によって成り立っているものなので、斬新な新作を発表するというよりは、パンサーの長い歴史のなかで発表されたシリーズの中から「どのタイプを復刻していくか」を考え新たなコレクションを打ち出していきます。なので、「懐かしいもの」をどれだけ今の時代に浸透させていくかが勝負になってきます。

ずっと変わらないものについて教えて下さい。

矢作さん
それは日本製ということです。国産ブランドとして誇れるクオリティを持ち続ける事が重要です。そこに関しては今も昔も変わっていないところだと思います。
岡部さん
近年では、新たな技術を取り入れ出来るだけ簡略化を目指しているものが多い中で、細かな工程を踏んで、ひとつずつ時間をかけて作るということを、これからも変わらないこだわりとして持ち続けていきたいです。

取材を終えて

国産のスニーカーという珍しい立場にあり、さらにその名に恥じないハンドメイドのこだわりがパンサーには詰まっていました。また、有名ブランドとのダブルネームのリリースを控えているそうです。パンサーはこれからのファッションシーンで欠かせない存在になってくることでしょう。皆さんも要チェックです!

【今回お話を伺ったのは】
世界長ユニオン株式會社 岡部 大志さん/矢作 理之さん
所在地 東京本社:東京都江戸川区平井7丁目12番8号
電話番号 03‐5631-5143
PANTHER(パンサー)の公式サイトはこちら
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