IoTを駆使したバスが始動!未来都市に向かう、みなとみらいに迫る

2018 / 11 / 09
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横浜市経済局 成長戦略推進部 新産業創造課 高木 秀昭(たかぎ ひであき)さん/ 安藤 あらた(あんどう あらた)さん

歴史的に産業の発信地として名をはせ、現代は観光、レジャーの人気都市として賑わう、横浜市みなとみらい。そんな、みなとみらいが日本が誇る未来都市として発展を遂げているようです。現在、みなとみらいでは、未来都市の構想に先立ち、IoT(Internet of Things)を駆使したバスの実証実験が行われています。いったいどのようなサービスなのでしょうか?
今回、横浜市経済局 成長戦略推進部 新産業創造課の高木さん、安藤さんにサービスの全貌を伺ってきました!

未来都市に向かう、みなとみらい

どういった経緯で横浜市として新しい動きをしていこうと考えたのですか?

高木さん
横浜から新しい産業を生み出す試みのために、今年(2018年)の4月から新産業創造課という課が立ち上がりました。
発足の背景としては、人口減少があげられます。横浜市はこれまで人口が増え続けていたのですが、来年から人口が減少していく見通しです。これから高齢化が懸念されるのですが、それに伴って生産年齢人口の減少も考えられます。
そこで横浜市としても新しい産業を生み出していこうという動きがあり、その方法としてIoTを活用することで、担い手不足を解消する目的があります。その取り組みの一環として今回のIoTを活用したバスの実証実験が行われています。

IoTのような新たなテクノロジーを駆使するということは、近未来的な都市に向かっていく印象を受けるのですが、そこに照準を合わせた理由は人口減少の他にもあげられますか?

高木さん
1番大きなポイントとしては、やはり社会構造的に少子高齢化に向かっていることがあげられます。ただ、幸いなことに、横浜市は先進的な都市としてのイメージを持たれているようで、様々な企業に横浜から新たなビジネスを発信していきたいという提案をいただきました。そういったイメージを持っていただけていたからこそ、先進的な都市作りに舵を切りやすかったのかなと感じています。

IoTのバスを使った、実証実験が行われた経緯について教えてください。

高木さん
横浜市には、製造業が6000社、IT企業も3000事業所ありまして、まさにIoTの担い手になる集積があるということは横浜の1つの強みです。また、企業も少し前までは、大手企業が新しい技術やサービスを開発することが多かったのですが、最近ではそれぞれが連携して、より良いものを作り上げていこうという動きが活発化してきているので、この動きを加速させるサービスとしてIoTを活用しました。

そのような背景があって、IoTを活用していこうと考えたのですね。バスにはどのようにして繋がっていったのですか?

高木さん
このバスの実証実験は、NTTドコモ、MIRAI SHAREの方々が、私たちの目指すオープンイノベーションな取り組みにご提案いただいて始まったものです。

みなとみらい地区などは「まちを回遊いただく」に課題があるため、それを解消するための1つの策としてAIを活用したバスの実証を行うことにご協力したものです。もともとNTTドコモの方々は、新しいビジネスモデルとして、AI運行バスを広めていきたいという考えをお持ちだったようです。
更に、みなとみらいでのAI運行バスには地域の交通事業社、商業施設の方々にもご協力いただいております。「回遊」というひとつの課題に対して皆で取り組む土台が出来上がったことで、IoTを活用したAI運行バスが本格的に動き出しました。

AIを駆使した未来のバス

私自身、みなとみらいに訪れた際に回遊のしづらさを感じていたので、このサービスが発足したことは嬉しいです。

高木さん
海沿いの施設に行こうとすると駅から少し距離がありますので、電車を利用して訪れる方には不便に感じるかもしれませんね。今までは、海に近いそれぞれの施設を繋ぐ交通網があまり発達していなかったんですよ。

AI運行バスのサービス内容を具体的に伺ってもよろしいですか?

安藤さん
みなとみらいエリアと関内エリアを中心に運行しているのですが、観光名所や商業施設、ホテル等、31か所を乗降ポイントに設定しております。
バスの使い方は、アプリや各乗降ポイントにある端末で、行きたい場所を決めるとバスが到着して運んでくれるという仕組みです。わかり易く説明すると乗合いのタクシーです。色んな方が、色んな場所でバスを求める仕組みになるため、混乱を防ぐためにAIが活用されます。AIは各乗降ポイントの利用者ニーズを把握し、最も効率のよい配車ルートを導きだしバスを運行させます。現在行われている実証実験では、10台のバスがAI運行しております。

この範囲内に31か所という乗降ポイントは普通のバスに比べると随分多いですよね。

安藤さん
みなとみらいの課題である、「回遊」の改善を目的にしているので、ある程度ポイントごとの間隔は狭めています。

特に、初めてみなとみらいに訪れた方にとっては、路線バスはわかりづらく、タクシーを使うのはもったいない、かといって歩いて移動するには少し遠く感じてしまうので、乗降ポイントの数は多めに用意させていただきました。

マリンタワーや人形の家などは、アクセス面で不便を感じていたので助かります。

安藤さん
そういっていただけると嬉しいです。AI運行バスの導入は実はみなとみらいが初めてではないんです。NTTドコモさんは会津の武家屋敷などで導入した実績があり、アクセスに不便さを感じている施設にAI運行を導入することで、観光客の回遊行動促進により観光活性化に寄与しました。
今回のみなとみらいのAI運行バスでも同様に、回遊を促すことができるのではないかと考えています。例えば、今までは、赤レンガにいる方が、人形の家に行ってみたいと思ったとしても、アクセスが悪いという理由で諦めていた方もいるかもしれませんが、今回のサービスでアクセスへの不便さを解消することで、もっと横浜を楽しんでいただけるのではないかと思います。
実証実験期間中(10/5~12/10)は無料なので、この機会に是非活用してみて下さい。

効率的なルートを予測して運行するAIバスですが、待ち時間はどれくらいですか?

安藤さん
現在は10台のバスが運行で回っているのですが、待ち時間に関しても実証実験の調査対象になるかと思っています。こちらが想定している待ち時間で言うと、長くても10分程だと考えていますが、運行状況によっては多少の前後も見込まれるような気がします。

AI運行バスにはどのようにして乗車するのですか?

高木さん
乗降ポイントにそれぞれ端末がございましてこちらの冊子に記載されているQRコードを端末に読み込ませることにより利用できます。こちらの冊子が乗車券になりますので、各乗降ポイントにあるこちらの冊子をお持ちください。
冊子の他にもスマートフォンでアプリをインストールすることで、同様に乗車することができます。繰り返しご利用いただくのであればアプリをご利用いただいた方が便利かもしれません。

『AI運行バス』アプリ iOSはこちら

『AI運行バス』アプリ Google Playはこちら

若い人にとっては観光地として横浜を選ぶ理由の1つになりそうですね。

安藤さん
先進的な技術を駆使したサービスなので、若い世代には積極的に利用いただきたいサービスです。
ただ、お年寄りの方にも利用いただきたいです。
歳を重ねていくうちに外出することをためらってしまいがちですが、こういったサービスを活用することで「懐かしい場所」に足を運ぶきっかけになるような気がします。なので、実際にこのサービスの利便性をご享受されるのは、お子さま連れのご家族やご老人であるのではないかと想定しています。

今後このサービスがどのように展開されていくことを望んでいますか?

高木さん
ただ単に便利という訳ではなく、このAI運行バスを皮切りに地域の商業施設の活性化に繋げられればと思っています。例えば、このAI運行バスのアプリには乗車券の他にも、商業施設のイベントや、お得情報を閲覧できる機能があります。
なので、観光名所として人気の場所はもちろんのこと、それ以外の横浜の見どころを利用者自身が新しく発掘いただける可能性が考えられるサービスになっています。このAI運行バスは交通と商業2つの側面で利便性を感じるサービスになっているので、この機会に是非足を運んで、自分だけのお気に入りのスポットを見つけていただけると嬉しいです。

取材を終えて

今までは、みなとみらいに行くと赤レンガ倉庫から、中華街への移動などで苦労をしていましたが、このIoTを活用したバスがあれば、気軽に好きなところに行けるのでとても便利ですね。12月10日までの実証実験期間は無料でご利用できることも更に嬉しいポイントです。AI運行バスを皮切りに横浜がどのような変貌を遂げていくのか、これから楽しみでなりません。

ライター・カメラマン/宮脇雄士(うしお)

好きなものは映画、漫画、ファッション、カフェ!WIZOOM編集部のサブカル男子、ユウシです。
皆さんの疑問を緩やかに解決します!

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