【真実を知る】若者の献血離れってホント!?

2018 / 12 / 03
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日本赤十字社 血液事業本部 山本 朋人(やまもと ともひと)さん/ 国吉 紀和(くによし のりかず)さん/ 大江 優貴(おおえ ゆうき)さん

AIやIoTが発達し、何事にもデジタル化の波が押し寄せている現代でも無くならないものがあります。その1つとして献血があげられます。ただ、昨今では「若者の献血離れ」という言葉も登場し、献血に対する意識が薄れてきているようなことも囁かれていますが、果たして真実なのでしょうか?
今回、日本赤十字社の皆様に現代の献血事情をうかがってまいりました。

献血っていったい!?

そもそもなぜ献血は求められているのでしょうか?

山本さん
血液は、栄養や酸素の運搬、免疫など人間の生命を維持するために不可欠です。現在、血液の機能を完全に代替できる手段はないため、医療において輸血は欠かすことができない治療法となっており、皆さんの献血が輸血用血液として輸血医療を支えています。また、 一部の献血血液は、血液成分中の血漿を分画・精製して製造される「血漿分画製剤」の原料としても使用されています。

「献血をすることは大切」というイメージばかりが先行していて、具体的にどう役立っているのか見えにくいと感じてしまいます。

山本さん
病気や薬の影響などで十分に血液をつくることができなくなった場合や、事故や手術などで大量出血が生じた際には、輸血が必要となるため、献血された血液はこれらの治療に役立てられています。 輸血せずに放置しておくと、息切れや動悸(どうき)、めまいなどが起こったり、出血が止まらなかったりして、重症になると死に至ることもあるんです。「血漿分画製剤」は、主なものに、アルブミン製剤、免疫グロブリン製剤、血液凝固因子製剤があります。アルブミン製剤はやけどやショック等の際に、免疫グロブリンは重症感染症や、ある種の感染症の予防治療のためや免疫機能が低下した場合等に、凝固因子は血友病患者の治療等のために役立てられています。

現代の献血事情

献血者数の推移を見ると、緩やかに減ってきているように見えるのですが、なにか理由はあるのですか?

年代別献血者数と献血量の推移について詳しくはこちら

国吉さん
献血される方の数が減ってきているのは事実ですが、その要因として、お一人あたりからご提供いただく血液の量が増えてきたことが背景にあります。全血献血の場合、昔は200mL献血の協力者数が言っての割合を占めていたのですが、医療機関の需要にお応えしていくなかで、近年では400mL献血の割合が非常に高くなっています。つまり、献血される方の数が今までより少なくても充分な血液量を確保できるようになっているんです。そうはいっても、献血でいただいた血液には有効期間があるため、継続的に献血いただけると、とても助かります。

以前は200mLの献血量が主流だったんですね。

山本さん
過去には、献血の種類が200mL献血だけの時代もあったのですが、200mL献血が主流になっていることは、世界的に見ても少なく、必要な血液量を確保することが難しくなってきたことや、特定の成分のみを輸血する方法が広まったことなどもあり、今では400mL献血、血小板成分献血、血漿成分献血を加えた4種類の方法でご協力をお願いしています。

少子高齢化などで血液の需要が増加する一方と思われがちですが、、実はここ数年、医療機関にお届けしている血液量に大きな変動はなく、皆さんのおかげで十分にまかなうことができています。

メディアではよく「若者の○○離れ」という話題を取り上げられがちでその中に献血が含まれていることもありますが、人口比で見た献血率は10代後半で高い数値を示していて、必ずしもそういった捉え方はしていません。ただ、そこから30代半ばにかけてその値が低下してしまっているため、若い方が将来にわたって定期的に献血会場に足をお運びいただけるよう、工夫を凝らして活動を行っているところです。

継続的な献血が求められている!

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