自分の想像力に委ねよ。耳で楽しむ究極のエンタメ、「落語」は絶対聴いたほうが良い!!

2018 / 10 / 26
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有限会社ユーロスペース 渋谷らくご担当 木下愛(きのしたあい)さん

「なんか敷居が高そう」「20代が行っても難しくて楽しめなさそう」というイメージがある「落語」。そんな落語が若者の街・渋谷で聴けるって知ってましたか?
今回は、「渋谷らくご(シブラク)」を運営されているユーロスペースの木下さんに、落語の楽しみ方や、シブラクが行っている若者に落語を楽しんでもらうための活動について、お話を伺ってきました。

初心者でも楽しめる「渋谷らくご(シブラク)」って?

シブラクって何ですか?

木下さん
「初心者が、いつ来ても楽しめる落語会」として設計された、なんの予備知識がなくても楽しめる、新しいタイプの落語会です。
「ちょっと行きにくい」という従来の落語イベントを克服するため、初心者向けの落語会として、どうしたら初心者の方も気軽に来ていただけるかを工夫しています。

落語に馴染みのない若い世代は、WEBで情報を見れる方が楽で、ハードルが低いですよね。
なので、シブラクではWEBを使ってプロモーションをしたり、TwitterやPodcast、動画配信サービスを使って、シブラクに来たことのない方や地方の方でも、イベントの雰囲気を味わっていただけるようにしています。

また、開催が不定期だと行きにくいので、毎月必ず第二金曜日から5日間の開催期間を設けて、この間はいつ行っても落語が見られるようにして、毎月違う落語家さんに来ていただいたり、組合わせを変えたりして、いろいろな落語を聴いてもらえるようにしています。
木下さん
平日は20~22時などの遅い時間にも上演していて、映画感覚で仕事終わりや夕食後、飲みに行く前の時間にふらっと立ち寄っていただきやすいのも特徴です。渋谷という土地柄もあって、仕事帰りのサラリーマンの方や社会人カップル、大学生の方など、20時からでも多くの方が落語を聴きにいらっしゃるんですよ。
よく「黒い髪の人が多いね」と言っていただくのですが、30代前後の若い方や女性が多くいらっしゃるのもシブラクならではだと思います。

「型破り」な落語会

木下さん
従来の落語界からすれば、結構異質なことをやっていると思います。
落語界には上から「真打」「二つ目」「前座」という階級があり、タテ社会の厳しいルールがあります。落語家と呼ばれるのは真打と二つ目の落語家さんで、前座は見習い扱いになります。

従来の寄席のルールでは、下の階級から落語を披露するのが決まりになっていますが、シブラクでは、真打さんが初めに出て、トリが二つ目ということもあります。
そうすることで、すごくおもしろくなるんです。二つ目さんなら、普段は取らないトリを取るから気合が入ったり、前に出てくれる師匠への敬意も出るんですよね。
木下さん
そういう流れがあることで、普段とは違う雰囲気が味わえます。あと、一般的には階級によって話せる時間も違うんですが、階級関わらず、どの演者も持ち時間は30分ずつ平等に観れるんです。

そういう、落語界では当たり前のルールも初心者には関係ないし、おもしろく見せるために型破りなこともやっています。それが、落語を知っている人にもおもしろく映るような番組作りを心がけています。

あと、「メクリ」と呼ばれる落語家さんの名前を書いた看板を使う代わりに、プロジェクターで名前とローマ字の読みを映して、初心者の方にも読みやすく、疎外感を感じないようにしているのもこだわりです。

シブラクが始まった4年前に比べると、若い落語家さんも増えて、落語がブームになり、話す側も聴く側も盛り上がっているんですよ。カフェやお蕎麦屋さんなど、寄席以外の場所でも、毎晩のように落語会が開かれるようになりました。

当然、シブラクに通ってもらうのも嬉しいんですが、シブラクをきっかけにいろんな寄席に行ってもらいたいという想いもあって、初めてここで落語を見て、「おもしろい!」と思っていただいたら、おもしろかった落語家さんが出ている他の会や独演会などにも足を運んでみていただきたいです。
お客さんも、ゆくゆくはシブラクを巣立っていってほしいと思います。「お客さんを育てる」じゃないですけど、観る側にも目を肥やしていってもらえるような会にしたいですね。

文化の発信地・渋谷で落語を観るのは大事なことだった

どうして渋谷で落語会を開かれているんですか?

木下さん
昔、渋谷に「渋谷ジァン・ジァン」という小劇場があったんですよ。美輪明宏さんやイッセー尾形さんをはじめとする文化人を輩出した、文化の発信地のような場所だったそうです。
その劇場は、いまは無くなってしまったのですが、ここのオーナーが「次のジァン・ジァンを作りたい」と立ち上げたのが、この「ユーロライブ」です。
木下さん
「ユーロスペース」は、もともとヨーロッパ系の映画の配給に特化した会社でしたが、渋谷で長年映画に携わってきたオーナーが、渋谷発の文化が途絶えていくのを危惧していたようです。

そこで、「何かおもしろいことをやっている場所」として、この空間が生まれました。ジァン・ジァンでも、落語は上演されていましたし、昔、「東横落語会」という落語会もあったそうです。

渋谷には寄席がなかったので、定期的に渋谷で落語をやっている場所もそれまではありませんでした。
しかし、渋谷が好きで、渋谷から文化を発信していきたい人にとっては、「渋谷で落語を観る」というのは大事なことだったんです。そこで、ユーロライブのオープン当初から、定期的に落語を観られるようにシブラクをスタートさせました。

文化の発信地として、イベントやお笑い、ショーライブなど、多目的に使われています。

次ページ:『「共感」できる、おもしろさ』

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ライター・カメラマン/中村愛理(あいりーん)

奈良生まれ奈良育ち、カレーとお寺マニアな“WIZOOM編集部の母”、あいりーんです!
記事もカレーもピリッとスパイシーに。ちょっとパンチのある情報をお届けします!

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