20代、いろいろやってみたけれど、「本当にやりたいことって何だろう?」私の答えと、起業するということ。

2018 / 08 / 24
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株式会社イトバナシ 代表取締役社長 伊達文香(だてふみか)さん

「20代のうちからキラキラしてる人ってどんな学生時代を送って、社会人になった後にどんなことしてるんだろう?」そんな編集部の興味から、今回お話を伺ったのは、インド刺繍を使ったアパレルブランド「itobanashi」代表の伊達文香さん。
留学やビジネスコンテストでの受賞などの経歴を持つ彼女ですが、どんなことを考えて学生時代を過ごしてきたのでしょう?起業した後の現在についてもお話を聞いてきました。

ブランド「itobanashi」ができるまで

ブランドを立ち上げたきっかけを教えてください。

伊達さん
原点は、もともと自分の家族が服好きだったことかなと思います。
大学では心理学を勉強していて、大学1年生のときにスタディツアーで初めてインドを訪れました。そこで日本との違いにハマり、インドがとても好きな国になりました。
そこから、途上国の子どもの教育発展を目的としたワークキャンプに参加したりしていました。

卒業論文では、ストリートチルドレンが育つ環境や心理についてのフィールドワークを行っていたのですが、彼ら/彼女らの中には、人身売買の被害に遭ってしまった子供たちが多くいることを知りました。
その中で、特に女の子は、売春街に売り飛ばされてしまうという社会問題があること、彼女らの支援の一つに、縫製の職業訓練をするNGOが多くあることを知りました。幼くして売られてしまい、基礎教育を受けることができなかった子どもたちが自立するために必要なのは、教育支援よりも就職支援であるという彼らの考えに共感しました。
伊達さん
こうした活動のかたわら、大学ではファッションサークルに所属していたのですが、自分が楽しいと思える方法で、途上国の女の子たちの力になれないかなと思っていたときに、文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN」という官民共同の留学支援制度に出会い、縫製の職業訓練をしているNGOと一緒にインドのコルカタでファッションショーを開催しました。
伊達さん
ファッションショーでは、資金集めに翻弄してしまい、女の子たちとのコミュニケーションが希薄になってしまったことや、継続性があるのかということが課題として残りました。
そこで、自分たちが作り出せるものを販売することで、彼女たちとの未来を描きたいと考えるようになりました。インドはテキスタイル大国なので、染物や織物など、さまざまな素材に出会いましたが、現地の友人に「実は田舎にもいい技術がたくさんあるけれど、仕事の依頼が減っていて苦しい状態だ」という話を聞き、刺繍職人さんに出会うことになったんです。

伊達さん
染物や織物は、専用の機械や材料が必要ですが、刺繍は糸と布と針さえあればできます。「どんな人でもできる」「極めれば極めるほど良いものが作れる」という刺繍に大きな可能性を感じ、刺繍に特化したビジネスを始めることにしました。
それから、ビジネスコンテストに出場し、いただいた賞金ではじめのサンプルを作ることになりました。

長かった下火期間

さまざまな経験をされてきたんですね!毎回のチャレンジには、すごく勇気が要ったのではないですか?

伊達さん
私は、いろんなことに興味が湧いて、手と足が先に動いてしまうことがあるんです。振り返ると、「やりたい」から「やる」までの距離は人と比べると短い方だったと思います。

本当にやりたいことって何だろう?

伊達さん
インドでのファッションショーの開催や起業は、長い学生生活の中では後半のことで、学部生時代は自分がやりたいことがよく分からなかったんです。
震災ボランティアをやったり、スタディツアーに行ったり、ファッションサークルをやったり。自分の取り組みがつながっていないなと感じていました。「どれもやりがいを持って取り組んだけれど、学生なりに時間やお金をかけてきたことが最終的に何になるんだろう」と悩むこともありました。

その経験一つひとつを何かの形にする必要はないけれど、せっかくやってきたことが繋がって、広がっていけばいいなと考えていたときに、まじめに考えていたことの「たが」が外れて、ふと「自分が楽しいことじゃないと続けていけないな」と感じるようになったんです。そのときに、自分が好きだったファッションで、インドで何かできないかと考えるようになりました。

一人でしようと思わない

伊達さん
今まで点だったものが線で繋がった後はすごく速かったですね。
周りの方がいろんな情報を教えてくれて、留学をすることを決めました。もともと、サークルやボランティアの活動を通して、チームを組織することが好きだと感じていて、インドでのファッションショーも「一人ではできない」と思い、学生団体を立ち上げました。
何かを始めるときに「一人だけでする」ということを初めから想定しておらず、チームで物事に取り組んできたことも自分を動かしてきた力になっています。

やりたいことがあるけれど、まだ実行する勇気がないという人に向けて、メッセージをお願いします。

伊達さん
「パラレルキャリア」というくらい、いろんな働き方がある時代に、私は「学生時代にやりたいことに出会えたのなら、いろんな失敗を重ねながら実体験を積み上げていく働き方がしたい」と考えて起業という選択をしました。
大切なのは、「自分が気持ちよく仕事ができるかどうか」だと思います。起業には向き/不向きもあると思うのですが、自分が向いていると思えたのなら、やりたいことは実行したほうがいいと思います。
また、継続することもとても大切だと考えています。世界中が敵に回っても、2人だけ絶対に味方でいてくれる人がいれば、続けていけると信じてやっています。

起業して感じたこと

伊達さん
何歳でもチャレンジはできますが、20代のうちは、社会的にまだまだ失うものが少ないと思うので、始める際には失うものが大きいように感じるかもしれないけれど、10年経ったら、そのときに失ったものなんて大したことないと思えると思うんです。
成功している人や同世代と比べてしまうこともありますが、コツコツ自分らしくやっていくしかないなと思っています。

取材を終えて

20代起業家として、好きなことを仕事にされている伊達さんですが、本当にやりたいことを見つけるまでには悩みや葛藤があったのですね。等身大のロールモデルとしてお話していただき、刺激をいただきました。
伊達さん、ありがとうございました!

【今回お話を伺ったのは】
株式会社イトバナシ 代表取締役社長 伊達文香さん
所在地 東京都墨田区東向島2-24-14-2F
■株式会社イトバナシの公式サイトはこちら
■itobanashiの公式オンラインストアはこちら
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