平成最後の夏だから。この夏は和を知って“オトナ”になりませんか?

2018 / 07 / 23
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株式会社新日屋 代表取締役 山口 洋文(やまぐち ひろぶみ)さん

夏といえば、お祭りや浴衣など…和を感じる機会がたくさんありますよね。これまではお祭りやイベントを楽しむだけでしたが、もっと日本の文化について知って大人な日本人になりたい!そう思った編集部ひーちゃんは、日本文化を体験できるイベントを数多く企画されている株式会社新日屋の代表取締役、山口 洋文さんに日本文化の魅力についてインタビューしてきました。

今回取材場所としてご協力いただいたのは、神田明神の隣にある井政。

江戸時代より続く材木商の遠藤家の旧店舗・住宅主屋です。都会のオフィス街にあるとは思えないほどゆったりとした時間が流れています。
井政 公式サイトはこちら

日本の文化には“空間との調和の美”が欠けている

日本文化を体験できるイベントを企画しようと思ったきっかけは何ですか?

山口さん
私は新日屋を設立する前は、観劇会企画の事業に携わっていました。その中で歌舞伎の企画をしていたのですが、当時私は「歌舞伎は難しい、あまり面白くない」と正直思っていました。歌舞伎は10回観れば分かるようになる、なんて言いますけれど難しいものを10回も観るなんてなかなかできないじゃないですか。その時に歌舞伎といった芝居を“観る”以外の楽しみ方はないかと考えたのがきっかけです。
そこで、料亭に歌舞伎役者を呼んで一緒に食事をしながら役者の話を聞いてから歌舞伎を観に行くといった企画や、事前講座の付いた歌舞伎鑑賞プランなどの歌舞伎に関するイベントを開催しました。イベントを開催していると、着物を着ている方が徐々に増えてきたんです。その着物の方に話を聞くと「着物を着ていく場所がない」という方が多く、着物を着ていくにふさわしい空間を提供すればいいのではと思いました。

確かに東京で着物を着ていく場所ってあまり思いつかないですね…

山口さん
東京は震災や戦災などで街並みが崩れてしまっていて、ゴミが少ないという美しさはあるけれど、海外の都市のような街並みの美しさは残っていないんです。観光としての見どころはあまりないと思いました。
しかし東京は歌舞伎や相撲、着物、お茶といった多様で美しい、魅力的な文化を持っています。そういった文化こそ東京の観光資源で、文化と空間がマッチしていないのは美しくないと思いませんか?私は、空間も含めて日本文化は美しくあるべきだと考えています。

日本橋での金魚ちょうちん船はとても雰囲気のある、日本らしいイベントですよね。

山口さん
そうですね。日本橋って呉服の町のイメージがありながら、実際は着物や浴衣を着ていく場所って多くないんです。
日本橋での夜の企画というものはあまりなかったこともあり、夏の夜に楽しめる企画はないかと考えていたところに金魚ちょうちんと出会いました。この金魚ちょうちんをつけた屋形船を走らせて浴衣を着て楽しむことができるようなイベントができればと思ったんです。

日本橋金魚ちょうちん船で使われる金魚ちょうちん。幕末の頃、青森のねぶたをヒントに考案されたと言われています。

山口さん
川から見る東京の景色の見どころは日本橋とスカイツリーのライトアップになります。それ以外の道中は、金魚ちょうちんの灯りを見ながら楽しむものなので、東京の景色が見れなくても何ら問題ないんです。灯りとかき氷を楽しみながらお祭りのような感覚で楽しむことができる企画として、納涼金魚ちょうちん船が誕生しました。
日本橋納涼金魚ちょうちん船2018
日本橋納涼金魚ちょうちん船2018リポート記事はこちらから!

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日本の文化は“おもてなし”

山口さんが思う、日本の文化の特徴は何ですか?

山口さん
日本の文化は「おもてなし」の文化なんです。
例えば、お祭りでは神様をおもてなしします。お盆だとナスとキュウリで牛や馬を作りご先祖様をおもてなししますよね。料亭はお客様のために必ずきれいにしつらえて、食べ物も季節に合ったものをお出ししています。女中さんの着物も季節によって変えているんですよ。

なぜ“おもてなし文化”が若者から離れてしまったんでしょう?

山口さん
核家族化などによって親からお客様をおもてなしすることを教えてもらう機会がなくなり、文化の断裂が起こってしまったこと、和室の文化がなくなってきているのが原因だと考えています。
昔は父親が会社の人を家に招待する機会も多くあり、そういった時はお客様をおもてなしするためにお茶を出したり部屋をしつらえたりします。今ではお客様を家に呼んでおもてなしすること自体がなくなってしまいましたよね。

確かに、今思い返すと家にお客さんが来ることは少なくなってきましたね。

山口さん
そうでしょう?たぶん日本人はお客さんをもてなすために、花やお茶といった文化を学んでいったはずなんです。なので、お客様を和室でもてなすこと自体をしなくなってしまったことが、日本の文化を深く学ぼうと思わなくなってしまう原因なのかと思っています。

魅力的な人は、自分が楽しむだけでなく、周りを楽しませることに幸せを感じている

どんな人が“オトナな日本人”だと思いますか?

山口さん
オトナな日本人とは、日本の文化を通して自分が楽しむんじゃなくて他人も楽しませることができる人だと思います。
お客様を喜ばせることで自分も嬉しくなる、というのがおもてなしの楽しみ方です。自分が楽しむためじゃなく、周りを楽しませることを自分の喜びとして感じられる人が大人です。

誰かを家でおもてなしすることってあまりないのですが…

山口さん
家にお客様を呼んでおもてなしするだけじゃなくてもいいんです。誰かと一緒に過ごすときにも、おもてなし文化は活きてきますよ。特に相手を喜ばせたい!と思うデートなんかはまさにそうだと思います。
誰かに会うときや一緒にどこかに出かけるとき、出かけるお店や場所選び、準備にはどれくらい時間をかけていますか?
慌ただしい毎日の中で、人に会うための準備に時間をかけることはなかなか難しいとは思います。でも、そういった同じ時間を過ごす人を楽しませる、喜ばせる、ドキドキさせるために準備をしたり考えることが“おもてなし”の第一歩だと思います。

次ページでは、山口さんオススメのおもてなしイベントを教えていただきます!

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