【後編】東京で一番古いインバウンド向け旅館~外国人が集まる理由とは~

2018 / 07 / 04
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貴美旅館 代表 湊貴三郎(みなときさぶろう)さん

東京の豊島区池袋にある貴美旅館。東京で一番古いインバウンド向け旅館として、歴史を持つ旅館です。【後編】では貴美旅館のホスピタリティについて、湊さんご自身の体験談も含めてお伺いしました!

笑顔であれば人は笑顔になる

貴美旅館のおもてなしについて教えてください。

湊さん
貴美旅館は開業当時から外国人のお客様が多く訪れています。今では8割~9割が海外の方です。
そのため、海外の方とコミュニケションが取れることはまず必須です。そこにプラスしておもてなしを貴美旅館では徹底しています。特に気を付けていることや、しなければならないことは決めていないですが、自分がもてなされる側、旅行者になったとしてどんなところに不安を感じているのか、気持ちを察した上でお客様に接するのはスタッフ全員が自然と行っていると思います。
私の昔の体験で、ドイツの税関員の態度が忘れられないくらい酷かった事がありました。その時の税関の態度だけでもその国のイメージ、第一印象が決まるといっても過言ではないと思いました。たった一瞬でその人が感じるその国のイメージが決まってしまうのであれば、私たちは日本のイメージを少しでも「良い」と感じてもらえるように務める役割がここ、貴美旅館にもあると思います。
よくスタッフには「自分が笑っていたら、自分が楽になる。自らでぶっきらぼうにして世界を変えてしまうのではなく、笑顔でいてあげたら、緊張感や不安な気持ちも拭える。」と言っています。私自身の経験からもお客様には日本にまた来たいと思ってもらえるようなサービスを心がけています。
笑顔であれば人は笑顔になれる!そして笑顔で世界が変わると信じています。

貴美’sスタイル

貴美旅館の自慢は何ですか?

湊さん
実は貴美旅館はトリップアドバイザーで豊島区第2位なんです。その理由として、貴美旅館のサービスが挙げられている事と、宿泊料が割安であることがあります。貴美旅館は昔から、外国人のバックパッカーなどに人気の宿屋でした。今もそれは変わらずに利用していただいています。
様々な変遷を経てきたこの地区も今では旅館業は私たちだけです。生き残れた理由も早くからインバウンド、いわゆる外国人をターゲットにできており、需要があったことが大きいと思います。私の世界1周旅行の経験もあり、どんなことが外国人に好まれるのか、必要とされるのかを徹底的に追及して、今の形が出来ました。昔から安い値段を崩さずにやってきているのも、旅行者にこういったニーズがあることを分かった上です。料金が安い事もあったので、半分アパートのようなロングステイの形に、そして半分はバックパッカーが泊まるなんてこともありました。
変わらずに今も安くできている理由は、部屋は4畳半と6畳のどちらかで、シャワーも共同にさせていただいていることがあります。私たちが大きなホテルと同じことをやっても、戦っていけません。そのため、サービスや価格、利便性といったところ、またうちの自慢である多国籍の方と触れ合える環境を打ち出していき、これからも貴美旅館をつづけて良ければいいなと思います。

貴美旅館の危機

ここ最近民泊ブームがありましたが、影響はありましたか?

湊さん
今年、1月のお正月を回ると急に暇になりました。以前はそんなこともなかったのですが、今年は急に予約が薄くなりました。
その理由として、「民泊ブーム」があります。手軽に泊まれて、ネットで決済もできるという便利さに多くの方が利用をしていました。ただ、今年の6月15日に法律が施行されたため、予約も徐々に戻り、今では予約押し寄せてきています。このような「民泊」というスタイルは難しいところです。確かに民泊は手軽で安価に旅行先に泊まれることができますが、安心という面では保証しきれない部分があるとおもいます。やはり、少なからず知らない国、知らない土地に泊まるのであれば少しでも安心したい思いはあると思います。なので、安心して安価で泊まることを優先するのであれば、ぜひ貴美旅館に来ていただきたいです。

人との出会いが旅をつくる

湊さんご自身のご経験から、20代に向けて旅の極意を教えてください!

湊さん
旅は、あれを見たりこれを見たりするのではなく、どれだけいい人に出会うかで旅の深さは決まってくると思います。
私自身の若いころはスマホなんてものはなく、分厚い旅の参考書を持ち歩く時代でした。その分厚い本を見て旅をしていましたが、やはりずっと持っていると重たいですし、考えていると疲れてしまうんですよね。
そんな時に私は、旅先で出会った人と友達になり、その友達とその日から旅をすることになりました。あの時あの場にいなければ起こりえなかった出会いを経て、様々な経験が出来ています。皆さんが旅に行かれるときはどうでしょうか?行った場所に感動を覚えるかもしれません。おいしい料理に感動を覚えるかもしれません。しかし、その感動を誰と味わうか、誰と過ごすかはとても大切で、その時間が一生に一度の思い出になるかもしれません。ぜひ旅に行く際には、現地の方や、その場所で出会った人と友達になる楽しみも視野に入れてみてはいかがでしょうか?

海外の方の旅行の過ごし方は特徴があって、ロングステイが多いと思います。貴美旅館にも長い人は3か月程いることもあります。外国人の感覚として、「詰め込む旅行」が少ないのかもしれませんね。日本を例にすると、どこかを拠点にして交通機関を使っていける距離で移動する。1日に何か所も移動せずに、1都市ペースで回ってじっくり楽しむ。このスタイルが日本に来る海外の観光客には多いように思います。
私個人の意見を言ってしまうと、旅の楽しみ方を知っているなと思います。その国やその土地をしっかり理解するという点で、じっくりゆっくり見ることは必要だと思います。せっかく日本を出て旅をするのであれば、一生の思い出になるように人との出会いを楽しんでほしいと思います。

貴美旅館の見る未来

貴美旅館のこれからについて教えてください。

湊さん
「これから」ではなく「これからも」民間外交ができる旅館としてあり続けたいと思います。貴美旅館を通じてどんどんその方の世界が広がっていけばよいですし、どんどんコミュニケーションをとって、輪を広げていっていただければと思います。
「見たものを見たいというよりかはそこで触れ合った人たちにまた会いたい。」
だからこそ、この貴美旅館で同じようにいい人と出会ってもらいたいと強く思っています。

取材を終えて

たくさんの経験を身をもって、肌で感じているからこそ伝えることができる想い。そしてその想いをサービスに生かしている貴美旅館。日本の良さを陰ながら支えてくださっている立役者です。これからも海外の方へ日本の良さを体感していただく場所であってほしいと思います。
取材のご協力ありがとうございました。

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【今回お話を伺ったのは】
貴美旅館 湊 貴三郎さん
貴美旅館のHPはこちら
貴美旅館の予約サイトはこちら
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