【前編】東京で一番古いインバウンド向け旅館~外国人が集まる理由とは~

2018 / 07 / 04
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貴美旅館 代表 湊貴三郎(みなと きさぶろう)さん

東京の豊島区池袋にある貴美旅館。東京で一番古くから外国人を招き入れている旅館です。トリップアドバイザーでも4.5を獲得する貴美旅館にはどんな秘密があるのでしょうか?今回は代表の湊さんにお話をお伺いしました!

貴美旅館の歴史について

貴美旅館にはいつ頃からスタートしましたか?

湊さん
貴美旅館は学生の下宿屋をスタートに1952年(昭和28年)に旅館を営業しています。
当時はこの池袋界隈でもたくさんの旅館があり、ホテルと名前の付く宿は稀な時代でした。
しかし時が流れて、この界隈でも区画整理事業により旅館からホテルへシフトチェンジするところが多くなり、洋式のホテルへ変わっていきました。
そして、旅館という旅館は気がつけば貴美旅館だけになっていました。
当時から外国人の利用が多かった貴美旅館。そのため、旅館の形を崩さず、日本を感じてもらえる内装を保ち続けたいという想いがありました。今でも当宿泊客の9割が外国からいらっしゃっています。フランス・デンマーク・スェーデンなど北欧の人から、日本の武道に興味がある方が多く宿泊されています。

旅館のままであり続けたきっかけ

なぜ、旅館というスタイルをこの地で続けていこうと思ったのですか?

湊さん
1972年に自分が海外に8か月間旅行をしたのがきっかけでした。そのころ20代だった私は、世界一周旅行に挑戦しました。
今では身近になった世界旅行ですが、当時はインターネットや情報も乏しかったので、世界一周旅行を成功させた兄が英雄に見えました。その姿を見ていた私は兄に感化され、5年後に挑戦しました。ロシアから、北欧へ、そしてイギリスのスラムへも行きました。そこは大変恐ろしく、爆弾テロリストを探しに警官が夜中に家のドアを蹴り飛ばすようなこともありました。そこからアメリカへ行き、大陸横断1か月半。合計8か月間の旅行をしました。
この旅がきっかけで、世の中の見方、文化やその地域に住む人の異なる考え方で私自身の考え方も大きく変わりました。国や人種が違っても、理解しあえて、いい刺激をもらえました。日本人はグループで動き、周りを気にして、自分の考えが打ち消されてしまう事がありますよね。それを「協調性」といい、いい風に捉えていますが、私はそれはある意味怖さでもあると思います。
外国人はいい意味で勝手で、個性的で、自分の考えがはっきりしています。私の年になると「お前まだこの年でそんなことやってるの?」と言われますが、外国人は良いものは良いといいます。それが若々しさの秘訣でもあり、若者とのコミュニケーションもできる理由なのだと思います。なので、自分の求めるものはとことんやっていこうと思います。
この世界一周旅行がきっかけで、外国人の集まる宿を作りたいと思うようになりました。

和を輪でつなげるコミュニティ

貴美旅館をどのような場所にしていきたいですか?

湊さん
貴美旅館は外国人に人気の旅館として続けてこれました。私は、日本にいながらも、外国にいるような空間そのものを作りたい、私と同じように日本人にも体験してほしい、こんな思いで今も貴美旅館を営業しています。現在は海外のお客様がメインなので、海外の方に向けてのサービスもおもてなしもスタッフ一同心がけています。
海外で気づけたこと、学べたことを世界中の人々との交歓の場として貴美旅館を続けていきたいと思います。
日本にいると海外の方とコミュニケーションをとる機会はなかなかないと思います。そんな機会を貴美旅館で作り、いろんな方と会って話して初めてわかる価値観や、初めて見るものを共有していってほしいと思います。若い方たち、とくに20代の方には、こういった経験をたくさんしてほしいなと思います。貴美旅館にある談話室は毎日19時~20時にはとても賑わっています。貴美旅館の文化として談話室でのコミュニティはこれからも繋いでいき、日本人と海外の方の、民間外交の役割となっていければいいなと思います。

取材を終えて

海外と日本の文化の違い。これを日本にいながら体感出来たらとても素敵ですよね。若い時こそ、いろんなものに触れて、感じて、経験した方自分の世界が広がる。湊さんのお話を聞いてそんな風に感じました。
後編では、貴美旅館のホスピタリティ、そして湊さんが実際に体験した旅行の極意についてご紹介します。

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【今回お話を伺ったのは】
貴美旅館 湊 貴三郎さん
貴美旅館のHPはこちら
貴美旅館の予約サイトはこちら
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