150年余年の歴史をもつ酒造メーカーが目指す「酒飲みのテーマパーク」

2018 / 07 / 05
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石川酒造株式会社 営業部 広報デザイン担当 石川雅美(いしかわまさみ)さん 

東京の福生市で150年余年酒造を営んでいる「石川酒造」。幕末から歴史を刻み続ける石川酒造にこれまでの物語や日本酒のこれからについて伺いました。

150年間チャレンジをする姿勢

石川酒造の歴史を教えてください。

石川さん
石川酒造の歴史は文久3 年(1863)9 月1 日(旧暦)に始まります。
多摩川の対岸、小川村(現在のあきる野市)の森田酒造の蔵を借りて13代当主和吉(和吉)が酒造りを始めました。
森田酒造の「八重菊」と姉妹関係ということで、創業銘柄は「八重桜(やえさくら)」としました。
幕末の時代。もともと昔は農家の石川酒造。その頃は農家もやりつつ酒造りをしており、庄屋さんとして地域をまとめる役割も担ってました。
江戸から東京と呼び名が変わった時代「明治」。明治13年から今の酒蔵の建設が始まり、明治16年には熊川の地にすべて移りました。明治20年にビールづくりに挑戦しましたが、惨敗します。その理由は、冷蔵技術もなく、輸送手段も今のように発達していなかったため、味にばらつきが出てしまったり、運送の際に瓶が破裂してしまう事があり、1期造ってすぐ断念しました。

戦後になって農地解放で農業が難しくなり、より酒造りに力を入れるようになりました。戦後の昭和は、不自由で厳しい時代でした。しかし、その頃の当主眞作は、酒造りに本腰を入れ、商人になる道を選びました。
当主は変わり、17代目、慶一郎の代、一般開放に向けて整備がされていきます。しかし、日本人の日本酒離れが進み、全国的に、日本酒の製造量が下降していきます。そして時代は変わり「平成」。平成14年には経営改革が行われ、石川酒造の存続に何とか至ります。
そして時は流れ、現在18代目の当主太郎になり「酒飲みのテーマパーク」を目指し、111年ぶりにビール造りを復活させ、敷地内にレストランも併設しました。

食事を陰で支える役割に

石川酒造のコンセプトを教えてください。

石川さん
日本酒や他のお酒は、おいしいご飯や楽しい食事をしましょうといった時や、人生の節目のイベントなどで、よりその場に華を添える役割があると思っています。
そのため、石川酒造では、「華やかな食卓を陰で支える酒造り」というコンセプトをもとに製造を行っています。そのコンセプトから、「幸せな時間」を過ごして頂く事をメインに考えて、美味しいお料理、ゆったりとした時間を楽しむためのレストランを敷地に併設しました。もちろんここでお料理に合うお酒、蔵元らしいお酒の提供もしています。

酒飲みのテーマパーク

石川酒造の魅力は何ですか?

石川さん
まずは、都心から来やすいところだと思います。また、「酒飲みのテーマパーク」を目指しているので、ちょっとした旅行気分も味わえます。「古き良きものをいかしたい」という先代の想いから、江戸時代からの建物を大切に残しており、6棟が国登録有形文化財に指定されています。その他、パワースポットにもなっている樹齢400年、700年のケヤキの大木があったり、 史料館、レストラン、売店と施設も充実。 お酒好きはもちろん、歴史好き、グルメ好きなど幅広い方に楽しんでいただける、そんな場所になっていると思います

現代の新しさと昔の伝統

日本酒のこだわりや魅力を教えてください。

石川さん
お酒造りの最高責任者「杜氏(とうじ)」が昔のお酒の伝統を受け継いでいます。また、受け継いだ昔からのこだわりや勘を生かししつつ、新しい取り組み行っています。石川酒造の杜氏は33歳と杜氏の世界では若手です。その若い感覚を生かして、今の流行りの味を取り入れる事で若い客層も増やしたいという思いはあります。ただ、昔からの伝統もしっかりと受け継いでいくために、新しい取り組みも、昔からの伝統のお酒のどちらも作ります。
とはいえ、まだまだ若い方にはお酒離れはあると思うので、メーカー側が努力をして、発信をして、飲みたいと思ってもらうのが一番だと思っています。石川酒造では興味持ってもらう入り口を広げるため、ビール醸造や、蔵の見学ツアーを行っています。

数多ある日本酒から選んでもらうために

石川酒造さんの未来について教えてください。

石川さん
SNSが発展してきて、以前より個人の意見が聞き取れるに世の中になってきたと思います。
日本酒離れが進む中、「おいしいから飲んでね」という形は取りたくないと思っていて、「こういうのが好きならこんなお酒はどうですか?」と提案出来るような商品展開を目指しています。よりパーソナルに近い形で、選んでいただけるように努力していきたいと思っています。
独りよがりではお客様はついてこないので、日本酒やお酒に興味を持ってもらうための入り口として、蔵の開放や、レストランを位置付けし、SNSの発信も工夫をしながら、もっと認知を高めて行きたいと思っております。
また、一度来てもらい、日本酒が素敵だなと思っていただければ、今後、旅行などで訪れる違う土地の日本酒を楽しむきかっけにもなります。 そうやって多くの方に日本酒に興味を持っていただくことで、日本酒業界全体が元気になればと考えています。石川酒造は、150年間守ってきた味とこれから創造する味をこの先も繋いでいく役割でいたいと思います。

取材を終えて

150年という歴史の中でも常に挑戦を続けてきた石川酒造には、日本酒をしっかり後世に残すという想いを感じられました。日本酒離れなどといわずもっともっと日本酒の素晴らしさ、おいしさ、そして日本だからこそ飲める楽しみ方などを伝えていく事が大切なのだと感じました。石川酒造さん取材のご協力ありがとうございました。

【今回お話を伺ったのは】
石川酒造株式会社 石川雅美さん
住所 東京都福生市熊川1番地
石川酒造株式会社HPはこちら
石川酒造オンラインショップはこちら

ライター・カメラマン/小宮しほり(しほりん)

都会育ちのミーハーガール!スキマ時間はひたすらインスタ。でも好きな食べ物はカリカリ梅。
WIZOOM編集部の末っ子しほりんです!

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