自分の地図を広げ、会話の枝を増やそう~トップスタイリストに学ぶトーク術~

2018 / 05 / 27
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

PEEK- A- BOO 表参道  店長  石川欽也さん

おしゃれな街、表参道。そこで上質なヘアカットを提供し続ける美容サロン「PEEK- A- BOO」。今回はPEEK- A- BOOで店長を務める石川欽也(いしかわきんや)さんにお話を伺いました。サロンに行くと美容師さんとの会話が楽しくて、ついつい喋り過ぎてしまう、そんな経験はありませんか?美容師さんの高いトーク技術の裏にはどんな思いが込められているのでしょうか?

相手の様子を見て、話しやすい環境を作る

初対面の相手で話を弾ませる方法を教えてください。

石川さん
まずは距離を縮めることだと思います。大切なのは笑顔を意識することです。こちらが笑顔で行かないと相手が警戒してしますよね。もう1つは大きな声で、明るく話すことです。ただ体育会系のように「こんにちは!!」と大きい声を出すのでは、引いてしまう人もいますし、朝元々おとなしい方だと委縮してしまいます。「相手の様子を見る」ことがとても大切だと思います。
簡単にできるところで言うと、「元気さと明るさを出す」「楽しそうという雰囲気を出す」ことだと思います。そうすると自然と相手の表情もほぐれてくると思います。

また、相手のことを知っているのであればできるだけ情報をチェックしておくことは必要だと思います。ある程度相手のことを知ろうとする姿勢は相手との会話の中で表れてくると思います。何かリサーチできるものがあれば調べて置くと、自分も相手への会話づくりのきっかけになります。
ただ、その情報を詳しく話しすぎてもダメです。きっかけ程度になるように、自分の気持ちが相手に向かっている事が伝わればいいかもしれません。
例えば、音楽関係の方であれば、「最近OOでライブあるんですよね」や「最近人気のこのミュージシャン、素敵ですよね」などと話しかけられると良いと思います。
身なりで言うと清潔感は大切です。例えば、ビンテージのデニムを履いていると、分かる人には分かるかもしれないですが、普通の人が見たら穴が開いていたりするものに清潔感はあまりないですよね…。
一般的に清潔感のある格好は好印象が持てる第一歩だと思います。

他に気を付けている点はありますか?

石川さん
距離感は大切にしています。初めは近すぎない距離がいいと思います。
もともと控えめな方だと近くに来られると怖いという方もいますし、初めに警戒心が出てしまうと思います。そういった点では、声をかけるのも少し離れたところからかけたり、工夫をしています。
後はファーストコンタクトで目を見て、相手の様子を見ます。その時に「少し控えめだな」「おしゃべりな方かな」という様子は見ています。それを踏まえて、笑顔が大切です。シャイな方や控えめな方に関しては、会話の内容を「質問」に変えています。またカタログや雑誌を使って、直接目を合わせなくても話が出来る空間をつくれるとリラックス出来ると思うので、会話のクッションになるものを使います。

シャイで表情も外に出にくい方にはどんな工夫をされていますか?

石川さん
お客様の中には、初めてお店に来られて、緊張されている方もいらっしゃいます。PEEK- A- BOOの場合だと、全国から来られるお客様も多いです。今まで、どこに行っても上手くいかなくて、PEEK- A- BOOを違う美容室の方が、紹介してくださって来店してくださるお客様もいらっしゃいます。そういう中で話していると、「すべてお任せで」と言われる方もいるのですが、基本的にはすべてお任せな方はほぼいらっしゃらないと思っています。絶対にどこか譲れないポイントがあり、それを引き出せないと良い結果につながらないと思っています。

どんなスタイルになりたいかと聞いたときに、本当は写真を持っているけれど、見せるのが恥ずかしかったり、うまく言えないこともあったりします。
もしそういう場合であれば、こちらから「芸能人で言うと誰が近いですか?」や「最近だとこんな感じもカッコいいですよね」と質問や提案はしています。そうすると「実は…」と話し出してくれる方もいらっしゃいます。また、細かい雰囲気ではなく、大枠から聞いていくこともあります。「人から可愛く見られたいですか?」「かっこよく見られたいですか?」という質問や「よく読む雑誌な何ですか?」と聞き、そこからその人の雰囲気を掴んでいきます。雑誌ひとつでも方向性が違ったりするのでとても参考になりますよ。
他に、逆に嫌いなものを聞くこともあります。「これだけは嫌だ」や「今まで美容室でこんなことがあった」という話をお聞きします。やりたい髪型をストレートに聞くより、嫌なことの方が話してくれる傾向はあります。こちらから引き出しを多く開いていくことで、シャイな方も、緊張がほぐれて話してくださるようになったりします。

大切なのは、「話しやすい環境、空間」をこちらから作ることだと思います。まずは、こちらからいくつかきっかけを作って、相手から話してくれるように会話の流れをもっていき、会話からヒントをすくいあげます。

逆におしゃべりな方には?

石川さん
ひたすら聞きます。さらに、聞いた話に、頷いたり、共感することが大切だと思います。あとは単純に、自分が分からないことを質問したりします。ただ聞いていたり「知りません」では話が終わり、会話ではなくなってしまいます。相手も喋るのをやめたくなりますよね。やはり、しっかり会話のキャッチボールをして、お客様が楽しいと思えるような時間、空間になるよう心がけています。

口数が少ない方だと?

石川さん
相手が口数が少ないからといって、こちらがひたすら喋るのは、あまり好ましくないと思います。僕自身は、あまり多く話すことはしません。PEEK- A- BOOのお客様の中には、あまり喋りたくない方もいらっしゃるので僕としては、お客様自身が気持ちよくサロンに来ている時間を過ごしてほしいという思いがあります。ある意味、そこも距離感が大切かなと思います。なので必要なところをピンポイントで話すことも相手によって意識しています。

自分の地図を広げる努力

石川さんがお客様の会話について若い頃、気を付けていたことはありますか?

石川さん
低姿勢で、自分から入っていく意識はしていました。個人的には知らないことを知るのが好きだったので、相手に聞いたり、質問したりする際は、できるだけ相手が上で、自分が下からという姿勢を心がけていました。そういったことで相手に好感を持ってもらえることもあります。
20代の時に、23区、路線図など土地勘が無く、「どこからいらしたんですか?」といったお客様との会話になかなかついていけませんでした。その時に意識し始めたのは、最低限、お客様と必ず会話する内容は勉強することです。そこで実際に、電車の路線図をもらってきて覚えたり、地図を見たりしました。
他にも、美術館、映画、お客様との会話に出た知らないことや、興味の無かった事も積極的に知ろうとしていきました。今でも美術館も行きますし、映画は仕事終わりに行くこともあります。
会話の枝を広げる事は、興味を持ち知っていくと自然に好きになり、疑問も沸くのでそれをお客さんとの会話に盛り込むと、話も弾み世界が広がると思います。
相手に対して「知りません」だけで終わるの良くないと思います。自分の地図を広げるためにたくさん吸収して、積極的に知る姿勢は、若いからこそできるものでもあると思います。

編集者の個人的に困っていることを聞いてみました!


いつもの美容室と違う美容室に行ったとき、どのように伝えれば上手くスタイルのニュアンスが伝わりますか?(特に髪を減らしたいとき)

石川さん
ストレートに言っていいと思います。例を挙げると、髪を減らす時にすきばさみですくか、違うはさみで減らすのか、の違いがあるとします。一般的なすきばさみですくと、束感がなくなって、ひょろひょろした感じになってしまうんですね。なので束感を出したいのであれば「すきばさみですかないで、束感を出してください」といえば伝わると思います。美容師さんのはさみにも種類がたくさんあって、美容師さん一人ひとりがこだわっているところだとは思うので、質問してみるのもいいかもしれません。例えば美容師さんに画像を見せるのは、恥ずかしいと言う方も多いですが、全く同じではなくても、バランス感、雰囲気、方向性、ニュアンスを知るにはとてもわかりやすいツールです。。どんどん使いましょう。

取材を終えて

どんな人であれ「人との会話」は必要不可欠だと思います。そんな時に相手の様子を見ることや相手を知るということを踏まえていればきっと会話も弾んでくると思いました!取材のご協力ありがとうございました。

【今回お話を伺ったのは】
PEEK-A-BOO表参道 店長 石川欽也(いしかわきんや)さん
所在地 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前 4-3-15 東京セントラル1F
TEL 03-3402-8214
PEEK-A-BOOの公式サイトはこちら
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

PICK UP