「途上国から世界に通用するブランドをつくる」新しい価値を構築する会社のミッションとは

2018 / 05 / 30
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株式会社マザーハウス 福島京(ふくしまみやこ)さん

「マザーハウス」は代表の山口絵理子さんが立ち上げたブランドです。当時「最貧国」と言われたバングラデシュに赴き、ブランドを立ち上げるなど、常に新しい挑戦を続けてこられたスピリットはどういったものなのでしょうか。今回は株式会社マザーハウスの広報を担当されている、福島京さんにお話を伺いました。

「途上国から世界に通用するブランドをつくる」

マザーハウスコンセプトについて教えてください。

わたしたちの理念は「途上国から世界に通用するブランドをつくる」です。途上国でものづくりをして、世界中のお客様に届けるというのが、私たちが成し遂げたいことの最も根本的な部分です。
バングラデシュではジュートやレザーを使ったバッグや小物、ネパールではシルクやカシミアを使ったストール、インドネシアとスリランカではジュエリーを作っています。最近、インドでは「カディ(インド綿)」を活かしたシャツを作りはじめました。「現地の素材や技術に光を当てる」というコンセプトで活動しています。
「Meet the New World」という言葉もマザーハウスにとって大切なキーワードです。「途上国」と「先進国」の境界が曖昧になっていくなかで、二項対立ではなく、生産地の職人にも、お客さまにも、モノづくりをとおして新しい世界に出会ってほしい、という想いが込められています。これら2つのテーマがマザーハウスの軸になっています。

ありのままの素材に光を

いま5か国で生産をしていますが、〇か国で、ということは決めず、可能性のある素材や技術に出会えば、一緒にものづくりをしたいという考えです。それぞれの場所でであった素材が一番輝くかたちをデザイナーの山口はいつも考えています。

例えば、マザーハウスのシャツが生まれたのは、手紡ぎ手織りのカディに山口が出会ったことがきっかけでした。カディならではの着心地や軽さ、速乾性を届けるにはどんなカタチがいいのか、考えた結果シャツになったんです。美しく加工しすぎるのではなく、人やモノが自然体で輝けるということを大切にしています。よく、「ベストオブカントリー」と言っているんですが、「この国でできるベストは何だろう」ということを意識しています。

それぞれの国にあったものづくりを

製品が私たちの手に届くまでのストーリーを教えてください。

バングラデシュ

マトリゴールのスタッフたち

バングラデシュの自社工場では現在230名のスタッフが働いています。「マトリゴール」という名前の工場なのですが、現地語で「マザーハウス」という意味なんですよ。もともとは代表の山口が1名で始めた工場ですが、今は大きくなって大規模な生産ができるようになりました。現地のほかの工場とちがうのは、「ライン生産」ではなく、ひとつのテーブルでひとつの製品をつくる「テーブル生産」という点です。テーブルにはベテランのスタッフも初心者も混ざり、ひとつのバッグを作り上げる工程にチームで取り組みます。みんなで取り組む、というマザーハウスらしい特徴かもしれません。

ネパール

ネパールで糸を紡ぐ女性たち

ネパールでは、村のお母さんたちが中心となって養蚕し、糸を紡いで織り、草木染めをしています。ネパールは産業が盛んでなく、男性が出稼ぎで国外にでていることが多く、女性やお年寄りが山岳の村に残っているのがよくみられます。なので、村の単位でお母さんたちが集まって作業をしています。家の中で糸を紡いでいるお母さんもいます。小規模な生産にはなりますが、その国に合うスタイルで生産を行っているのがマザーハウスの特徴でもありますね。

インドネシア

インドネシアジュエリーkaben

インドネシアには、最近マザーハウスの工房ができました。今までは職人さんたちが家でジュエリーを作っていました。金を加工する職人さんや銀を加工する職人さんが工場に集まって、今ではお互いに交わることで、新たな技術が生まれる場になっています。

スリランカ

スリランカジュエリーShizuku

スリランカでは提携工房の10名の職人さんと一緒に宝石のジュエリーを作っています。スリランカの宝石はすごくカラフルなんですが、そもそも国名の「スリランカ」が「輝きの島」という意味なんです。それくらい色とりどりの石がとれるので、石を組み合わせた製品を作り、その国ならではの製品づくりを考えています。
各国での生産ははじめからうまくいったわけではないんですよ。ひとつとして同じ方法でものづくりを行っている国はありません。ゼロから信頼を築いて「私たちが本当にしたいこと」を伝えるようにしています。「なぜ品質にこだわるのか」を徹底して伝え、現場のスタッフと目線を合わせて、一緒の方向を向いて歩こうとしています。時間をかけてでも丁寧に向き合うことで、最終的なゴールを実現できると考えています。非効率的ですね(笑)。でも、そこからマザーハウスらしさが生まれてくるのだと思います。

製品はすべてオリジナルで、代表の山口がデザインを担当しています。直営店でお客様に直接モノを届ける「製販一体」(SPA)方式を採用し、素材調達から商品開発、生産、販売をすべて自社で完結させています。そうして実際に販売し、各店舗のスタッフがお客様からいただいた声は商品開発を行っているスタッフにすべて届けられ、製品に反映させています。生産と販売は両輪と考えるので、一緒に動けるように、生産地のスタッフと販売スタッフが同じ方向をみていることが大切だと考えています。

取材を終えて

世界中の方たちと一緒に「その土地らしく」「自分たちらしく」を貫いて、ものづくりをされているマザーハウスのみなさんのお話、いかがでしたでしょうか。大きなミッションを背負いながらも、福島さんが生き生きとお話をされていたのが印象的でした。福島さん、ありがとうございました!

【今回お話を伺ったのは】
株式会社マザーハウス 広報 福島京さん
本社 東京都台東区台東2-27-3 NSKビル2F
電話番号 03-5846-8813
設立 2006年3月9日
代表 山口絵理子
事業内容 発展途上国におけるアパレル製品及び雑貨の企画・生産・品質指導、同商品の先進国における販売
株式会社マザーハウスの公式サイトはこちら
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