まるで映画のセット!小さな劇場を作る理由とは?「ココロヲ動かす映画館」に潜入してきた

2018 / 05 / 28
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吉祥寺ココマルシアター 映画宣伝配給部 係長 大森 隆太さん

東京、吉祥寺にまるで映画のセットのような劇場があります。その名も「ココマルシアター」大手シネコンが台頭していく時代にあって、なぜ吉祥寺に小さな劇場を作ろうと思ったのか。「ココマルシアター」の大森隆太さんにお話を伺ってきました。

地域に根差した劇場になること

どういった思いでつくられた劇場なのですか?

大森さん
まず場所をなぜ吉祥寺にしたか、というところからお話させていただきます。ここを立ち上げたオーナーが、若い頃に三鷹に住んでいて吉祥寺のカルチャーについても熟知していました。

吉祥寺には若い世代やご年配の方まで、幅広い年齢層の方が訪れる街なので、様々な文化が交わった吉祥寺に劇場を作ることは面白いだろうなと感じて選びました。また、以前「バウスシアター」という劇場が吉祥寺にはありました。

そこがなくなってしまって、行き場をなくした映画好きの方々が多くいらっしゃったようです。実際に新たに劇場を作ろうと動き始めた際に、金銭的な支援をしてくださった方や創設時にはボランティアで参加してくださった方も多くいらっしゃいました。そう言った意味では、地域の人たちに支えられて、できたものだと思っています。劇場を作った想いとしては、地域に根差した劇場を作りたいという気持ちから始まった部分が大きいです。そこにどれだけの需要があるのかを知る為にも、お金の集め方にクラウドファンディングを用いました。

「地域に根差した劇場を作りたい。だからお金を出資してほしい。」というような発信の仕方をすることで、どれだけの人に求められているかもわかりましたし、劇場を作ることに対して多くの方の共感を得ることが出来ました。このように地域の人に求められる劇場を作りたいという思いから誕生しました。

他の劇場とは違った作品を上映しているのですか?

大森さん
土地柄もあってか、文化的なものをテーマにした作品が人気です。なにか新しく文化的なものはないかとコツコツ探して公開しています。また、映画の制作もしておりまして、吉祥寺をテーマにした映画も作成していたりもします。

他の劇場との違いという意味では、ゲームのイベントやトークイベント、アイドルのライブ、演劇まで多岐にわたってイベントを開催していたりもします。もちろん映画ありきなのですが、地域に根差した劇場にしていきたいという思いから様々なカルチャーを発信しています。

幅広い世代の方がいらっしゃいますか?

大森さん
商店街が栄えている街なので、年配の方や家族連れも多くいらっしゃいます。特に年配の方になってくると、映画は好きで劇場に行きたいという気持ちはあっても、新宿や渋谷のような繁華街へ行くのはちょっと疲れてしまう。

そんな思いを持ってらっしゃる方が、多く足を運んでくださいます。若い世代は、学校が近くに多いこともあって学生の方が沢山来てくださいます。例えば、「ゴッホ」をテーマにした映画の上映もしておりましたので、美術大学に通われている方や、文化的なものに触れることが好きな方は多く訪れてくれますね。

外観へのこだわり

外観が特徴的ですがどういったこだわりがあるのですか?

大森さん
外観を見て、若い人は面白がって入ってきてくれます。若い人は、大きなシネコンに慣れているので小さな映画館なんて見たことがない、という人が多いみたいです。一方で、ご年配の方には「懐かしい」と言っていただけます。

若い世代とご年配の世代の捉え方は違っても、ご興味を持っていただけるような外観になっていると思います。イメージは、海外にあるような小さな映画劇場を参考にしました。実際にオーストラリアで劇場を作ってらっしゃる空間デザイナーの方に、アドバイスを頂きながら作ったというこだわりがあります。

お客様目線に立った劇場

変わったサービスはありますか?

大森さん
カフェが併設されているので、映画を見に来た人以外も楽しんでいただけます。劇場としてのサービスは少し料金を安めに設定しています。他にも、お客様から見たい映画を募っているんです。

そうして募ったものの中から、選んで公開するという企画が動き始めています。地方の劇場はそういった活動をしていたりするのですが、都会の劇場になると大手の劇場が多く、どうしてもお客様目線に立った劇場作りが難しいと思っています。

だからこそ、他の劇場にはできないお客様目線にたったサービスというものを企画していこうと考えています。

写真はカフェスペースに設置されてる、『ゾウの花子』のモニュメント。

今後どういった劇場にしていきたいですか?

大森さん
地域に根差すということを重視していきます。劇場としてもお客様の意見を取り入れて改善すべきところは変えて、新たに企画をするにしてもお客様の声を大切にしていきたいです。

実際に、「ココマル映画クラブ」というイベントを2週間に1度開催しているんですよ。そこは、映画好きの人が集まって会話を楽しむ、映画好きの交流の場になっているんです。

その中で「映画祭やりたいよね」っていう話が出まして、実現させていきたいと考えています。この映画祭に関しても吉祥寺だから出来るものにするべきだと感じていますし、出来る限りお客様の意見を取り入れていきます。そういった意味ではこの先も、地域とそこに住んでいる人に寄り添った劇場にしていきたいと思います。

取材を終えて

小さな劇場だからこそ、お客様の声を取り入れやすいと大森さんはおっしゃっていました。お客様の投票で公開される作品を決める企画等、実現すると面白そうなものばかりです。大きなシネコンだけではなく、地域に根差した小さな劇場に足を運ぶことで、映画を見ること以外の新しい楽しみ方を発見することも出来そうです。


【今回お話を伺ったのは】
吉祥寺ココマルシアター 映画宣伝配給部 大森隆太さん
所在地 〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-15
電話番号 0422-27-2472
ココマルシアターの公式サイトはこちら
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